法人で証券口座を開設することの難しさ
FIRE達成後に、マイクロ法人を資産管理のための「ハコ」の会社として活用する場合、証券会社に証券口座を開設することは必須条件となります。
助手のひつじくんなんでマイクロ法人がFIRE生活に必要かは以下記事を読んでみてね!


ところが、個人と法人に対する社会的な見方としては、法人の方が一般的には信用のあるものと思われていますが、こと金融機関の対応に関しては真逆であり、個人の口座は簡単に開けるのですが、法人の口座開設は審査が非常に厳しいことが知られています。



また、インターネットでは、法人口座について「銀行」のケースは結構体験記があったりするのですが、これが「証券」のケースだとなかなか見つかりませんでした・・・



グーグル検索ポリシーの弊害かもね・・・
昨今は社会的な要請もあり、反社会的勢力がマネーロンダリングに口座を悪用していたケースが後を経たなかったこともあり、銀行も証券も審査が厳しくなっています。



ちなみに、マイクロ法人での銀行口座開設については以下で申し込みから口座開設までの体験談を語っています





マイクロ法人のネット銀行口座を開設したい方は参考にしてね!
マイクロ法人で証券口座を持つメリット
マイクロ法人の運用の仕方にもよりますが、私の場合は、日本の高配当株をメインに一回購入した後は、変化がない限りはその株は持ち続け、マイクロ法人で必要となるコスト分を稼ぎ出すためのハコとして機能させるために証券口座が必要になりました。
なお、FIRE達成後に、マイクロ法人+配当金によって、法人・個人の税・社会保険料負担を最小化する方法は下記にまとめています。





マイクロ法人で証券口座を活用する主なメリットとしては下記になります
株式投資以外の事業との損益通算ができる
法人は全ての売上から損金を差し引いた上で税金がかかる仕組みなので、個人の課税とは異なり、その他の事業などと損益通算ができます。
個人と法人で二重の株主優待が取れる
マイクロ法人の証券口座で優待株を保有しておけば、個人分と合わせて、株主優待を二重取りすることができます。
株主優待は、株式に連動して貰えるものが増えていきますが、「100株が一番美味しい」みたいな株主優待も結構多いので、そういった株主優待狙いであれば副次的なメリットになります。
マイクロ法人にオススメの証券会社について
マイクロ法人で最適な証券会社についてですが、私の場合は「各種の売買手数料が安いこと」が求められる基準としました。



手数料は安いことが正義!
特に、マイクロ法人で株のデイトレードやFX投資などの「ハコ」として活用することを考えているようなケースでは、売買手数料については最優先検討項目となります。
なお、ネットで「法人 証券口座 オススメ」と検索すると分かりますが、そもそも法人口座をネット+郵送で完結して開設できるページを設けている証券会社は限られます。
法人口座の開設のページを設けており、ネット+郵送で完結できる証券会社については、以下の通りでした。
- 楽天証券
- SBI証券
- マネックス証券
- 松井証券
- SBIネオトレード証券
- auカブコム証券
- 岡三オンライン証券
この中からマイクロ法人を選定するにあたっての基準である「売買手数料」の観点からスクリーニングすると、マイクロ法人用の証券口座としては、「SBIネオトレード証券(手数料は最安)」、「楽天証券」、「SBI証券」、「マネックス証券(手数料が高かったが、2022年3月22日より楽天・SBIにぴったり合わせて来た)」が候補となります。
下記にて各証券会社の特長を並べてみましたが、ネット証券は手数料で選ばれる、といった業界なので、どの会社も横並びです。ただ、新興のSBIネオトレード証券はそこから一歩抜け出ている、といった感じです。
- 手数料は最安値。5万円までなら50円(税込)、最大でも880円(税込) ※個人と同様
- 楽天銀行、ゆうちょ銀行、PayPay銀行、住信SBIネット銀行にてリアルタイム入金が可能
- 株式取引手数料は、5万円までなら55円(税込)、最大でも1,070円(税込) ※個人と同様
- 住信SBIネット銀行法人口座と連携しており、いつでも手数料0円で資金移動が可能
- ドルなど外貨取引をする場合、SBI銀行との連携で為替手数料が安くなる
- 株式取引手数料は、5万円までなら55円(税込)、最大でも1,070円(税込) ※個人と同様
- 法人の場合、投資信託や株式のポイント投資の対象外
- 楽天銀行、ゆうちょ銀行、PayPay銀行、住信SBIネット銀行にてリアルタイム入金が可能
- 株式取引手数料は、5万円までなら55円(税込)、最大でも1,070円(税込) ※個人と同様



下記の理由からその他証券会社は選定外としました
- auカブコム証券:米国株の取り扱いがない。約定金額が増えると手数料率が一番高い
- 松井証券:米国株の取り扱いがない
- 岡三オンライン証券:米国株の取り扱いがない。約定手数料の最大3,300円は他社に見劣り
なお、手数料については、各証券会社、「他社が下げたらウチも下げる!」といったことが続いており、ここに掲載すると後で修正が面倒(笑)なので、SBIネオトレード証券の各社の手数料比較をリンクしておくことでお茶を濁しておきます。
マイクロ法人で証券口座開設を申し込むにあたって避けるべきポイント3選
マイクロ法人は、設立年度も浅く、資金力も無いので、世の中的には非常に信用され辛いです。
証券会社といった金融機関からすれば特にそういった観点が強いので、口座開設を申し込むにあたって、避けるべきポイントを3つ紹介しておきます。
バーチャルオフィスは場所によっては月額5,000円くらいから貸してくれますので、郵便物の受領などの拠点として利用する分には問題ないのですが、こと金融機関の口座開設を行おうとすると引っかかることがあります。



金融機関によっては、バーチャルオフィスの所在地をリスト化しているとの噂もあります
特に、法人の登記住所とバーチャルオフィスの住所が異なっている、なんて場合は審査難易度が高くなるので避けた方が無難です。
なんでもかんでも手を出しているような会社には、金融機関も及び腰になります。
マイクロ法人での本業は1〜2つまでに抑えておき、金融機関に余計な不信感を与える定款の設定はやめておくべきです。



定款作成については、詳細記事をまとめているので参考まで!
→ マイクロ法人設立のための「定款」作成のイロハ
会社設立自体は「1円」からできますが、実際に「1円」で設立してしまうと、社会的信用はマイナスからスタートします。
下記でマイクロ法人設立の際の定款の作成イロハをまとめていますが、せめて300万円くらいの資本金はあった方が良いです。



ちなみに、私の場合は、資本金300万円で申請して、無事、楽天証券で口座開設ができているので、参考情報として記載しておきます
マイクロ法人での証券口座開設を悩ませる最大の悩みは「固定電話」
「固定電話を持っているよ〜」という方はこの項目はスッと読み飛ばしてもらって構わないのですが、証券会社の中には、固定の電話番号が無い=信用に値しない、として、そもそも口座開設の受付に進められない先が多いです。



ここからは「固定電話を持っていない」マイクロ法人経営者向けの解説だよ!
SBIネオトレード証券は「固定電話・IP電話」が必須
一例を挙げると、SBIネオトレード証券については、申し込みの手順の中に下記の通り、「固定・IP電話」の入力が必要であることの記載があります。
Webの口座開設フォームで申込み
<注意事項>
・会社の電話番号は「固定・IP電話」をご入力ください。
・代表者の役職は「登記簿(社員に関する事項)」と同じ役職をご入力ください。
・お取引責任者情報は「本人確認書類」と同じ情報(氏名、住所など)をご入力ください。
・「登記簿」と「本人確認書類」の記載内容が相違する場合は更新の上、ご提出ください。
SBIネオトレード証券 証券総合口座開設から取引までの流れ(法人)より
SBI証券は携帯電話・PHSでは口座開設の受付不可と明記
同じグループのSBI証券についても、法人口座開設申込みのフォーマットに下記の通り、携帯電話とPHSでは口座開設の受付ができない旨、はっきりと記載があります。


auカブコム証券にははっきりと「固定電話が必要」との記載あり
auカブコム証券についても、以下の通り、よくある質問のところに「固定電話が必要であること」が明記されています。
法人口座を開設する上で必要な事項は何ですか?
・日本国内に本店登録されている法人であること
auカブコム証券 法人口座 よくあるご質問より抜粋
・商業登記上の本店所在地で郵送物の受け取りが可能なこと
・申込書の記載項目をすべて正確にご記入いただけること
・auカブコム証券において他に同一代表者、同一取引責任者の法人口座が無いこと(1口座のみ可)
・取引責任者を選任いただけること(代表者が取引責任者となっても可)
・口座開設予定の法人に固定電話の設置があること
あなたが携帯電話しか持っていない状態で、ご自分のマイクロ法人の口座開設を行いたい場合、申し込もうとしている証券会社が「固定電話を必須条件」にしているかどうか、は事前に確認しておく方が良いです。
後述しますが、私が口座開設できた楽天証券については、携帯電話番号だけで開設できました。
楽天銀行には申し込み時点で「固定電話が必要です」といった記載は特段無かったので、携帯電話番号だけ口座開設書に記載して申請した結果、無事に口座開設ができました。
証券会社の注意書きの中には、「固定電話が必要です!」とはっきりと書いているauカブコム証券のケースと、SBIネオトレード証券のように「固定・IP電話を入力できれば良い」ケースがあります。
IP電話となると、050番号を確保することができれば良いということになります。
050を一時的に取得するのであれば、NTTコミュニケーションズが提供する「050plus」というサービスが手っ取り早いです。月額基本料は300円(税抜)なので、大きな負担にはなりませんし、初月から最大2ヶ月は無料なので、その間に口座開設が上手くできればその時点で解約してしまえば、実質的な金銭的負担は発生しません。
私は、ペイペイ銀行の法人口座開設と、楽天証券の法人口座開設のために、念のため「050plus」で準備しておきました。
どちらの金融機関の口座開設書の中でも必要となる場面は無く、携帯番号のみで口座開設ができたので、結局私は使わなかったのですが。



なお、この手のサービスは解約に面倒な手順を取らせるケースも多いですが、この050plusのサービスはアプリ内で簡単に即時解約もできてしまいましたので、心配しなくても大丈夫です!
マイクロ法人の証券口座の開設に必要な書類を準備する
法人の証券口座の開設に必要な書類については、下記の3点はどの証券会社であっても必須書類として添付を求められます。
- 履歴事項全部証明書
- 印鑑証明書
- 代表者の本人確認書類
その他の書類については、証券会社によって異なってくる部分ですので、口座開設の申し込みの際に事前に確認しましょう。



特に、最近は「法人の事業実態」を示す資料の添付が求められることが多くなっています



実態が分からないと金融機関側も何か悪用された時に責任問題になるからだろうね
楽天証券にマイクロ法人の証券口座を申し込んでみた
という訳で、4つの証券会社に絞っていた中ですが、私は固定電話を持っていないので、申込み時点ではっきりと「携帯電話・PHSでは口座開設ができない」旨が記載されている証券会社は対象から外れることになりました。
マイクロ法人+携帯電話でOK、ということで、唯一残ったのが楽天証券になります。



ここからは楽天証券の法人口座の申し込み手続きについて、簡単に解説していきます!
なお、以下の書き方で私のマイクロ法人の場合は無事に口座開設ができましたが、あなたのマイクロ法人がそのまま全て同じように進めて上手く口座開設まで進められるどうか、は保証できません(なにぶん、証券会社の審査の中身までは分からない)。



その点は留意して、読み進めてね!



で、実際の流れなんだけど、さすがネット証券だけあって、かなりシンプルなんだよね
- 楽天証券の取引をはじめるには(法人口座開設)のページを開く。
- 法人口座開設のための申し込みフォームを埋めて、申し込みを完了する。
- 3〜5営業日以内に登録された住所宛に郵送で口座開設の資料が届くので、手書きで記入する。
(法人の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)があれば埋められる内容になっています)



なんか解説ってほどでもないね



そうだね。ただ、いくつか用紙の記入の際に考えたポイントがあったので、それをざっと紹介するね
自己資金にはいくらと書けば良いのか
自己資金を記入する欄があり、最初はマイクロ法人のバランスシートの直近決算書の純資産で書こうかと思ったのですが、意図的に赤字にしているマイクロ法人であり、かつ資本金の額がそもそも300万円で設定しているので、マイクロ法人らしい赤字決算の積み重ねで、足元の純資産ベースで書くと約100万円程度になってしまいます。
なので、マイクロ法人へ役員貸付金として3,000万円貸す前提で、3,000万円で記載しました。



まあ、実際にそれくらいはマイクロ法人に運用させる予定だからね
楽天証券への法人の届出印について
楽天証券の法人の届出印が必要となります。
実印でも構わないとのことですが、楽天証券用に一つ事前に用意しておいても良いかもしれません。
銀行口座の登録について
ペイペイ銀行の方が都合がよかったのですが、同時並行で口座開設の申し込みを進めていたので、まだペイペイ銀行の口座開設が済んでおらず、一旦はアパート融資でお世話になっている地方銀行の口座にしておきました。



銀行とか証券って前例主義だから、地銀クラスが口座を開設している=信用力のある法人、とみなしてくれたのかも?



まあ、この辺は審査の部分だから分からないけどね
楽天証券の法人口座は無事開設
「1回くらいは何か楽天証券側からアクションとかあるのかな」と身構えていたのですが、特に不備も無く、処理が進められたようでして、1週間経ったかな、というくらいに、メールに「マイナンバー登録が完了しました」「配当金受取方法を登録しました」という2通のメールがいきなりメールボックスに入ってきて、その翌日に口座の情報の入った郵送物が自宅に届く、といった形でした。



以上が楽天証券でのマイクロ法人での口座開設の実際の手続きでした
まとめ:マイクロ法人でも証券口座の開設は可能。固定電話が意外にネック
実体験として、マイクロ法人での証券口座については特段問題なく、楽天証券で無事に開設することができました。
これでFIRE後のマイクロ法人とフリーランスという立場を上手く利用した税と社会保険料の最適化(最小化)を図るための下準備が整いました。
私の場合、マイクロ法人で取り進めるにあたっての最大のネックは固定電話の有無でした。



固定電話って、今どき個人だと持たないもんね



マイクロ法人って個人の延長戦上だからわざわざ用意しないよね



IP電話が許される証券会社なら、050plusのチカラを借りれば何とかなりそうだね



だと思うよ。ただ、固定電話がマスト、となっている証券会社は、どうしようもないので正攻法で固定電話回線を敷くくらいしか手が無いんだよね・・・
余談1:SBIグループでも銀行は携帯電話で法人口座開設OK
ここからは調査した結果の余談なのですが、SBIグループの証券会社は軒並み固定電話が無いと口座開設の受付不可という方針ですが、一方で、同じグループの住信SBIネット銀行が2018年7月に下記のようなプレスリリースを出しています。
住信SBIネット銀行株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:円山法昭、以下「住信SBIネット銀行」という)は、2018年7月27日から、法人口座申込時にご登録いただく電話番号につき、従来登録不可としていた携帯電話番号での登録を可能といたしました。
住信SBIネット銀行のプレスリリース分より抜粋



え、証券会社はダメだけど、銀行はオッケーなの?



時代のニーズとして、SBIグループの証券会社も見習って欲しいなあ
余談2:楽天銀行の法人口座は固定電話が無いとNG
一方で、これまた不思議な話なのですが、楽天銀行の法人ビジネス口座は固定電話が必須になっています。
口座開設の申込時に携帯電話を登録することは可能ですか?
回答
法人ビジネス口座の開設には固定電話のご登録が必須となっております。
固定電話のご用意がない場合、ご用意いただいてから開設をお申し込みください。
なお、IP電話の登録は可能です。
楽天銀行のホームページ 口座開設FAQから転記
楽天では、楽天銀行の方は固定電話はいるけども、楽天証券の方では携帯番号でも開設オッケーというSBIとは逆の形になっています(記載の通り、IP電話は可能とのこと)。



楽天はSBIとは逆で、証券は固定電話無しでオッケーだけど、銀行はダメなんだね・・・



同じグループ内であっても、銀行、証券会社では対応が異なるってことなんだね










