自分でやってみた!所有マンションの不動産登記の住所変更申請

自分でやってみた。所有マンションの不動産登記の住所変更申請
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所有不動産の住所の変更登記が義務化

2021年に不動産登記法が改正されましたが、この改正によって「住所の変更登記が義務化」されることになりました。

この新しいルールが適用されるのは、まだ確定的ではありませんが、「公布後5年以内」となっているため、2026年4月までには施行されることが予想されます

この義務化の背景としては、民有地の約2割が所有者不明の土地であり(なんと、九州に匹敵するレベル)、この状況を改善させるために不動産登記情報における名義人の住所を最新化させることを義務化した、ということになります。

法律義務化を見据えた所有不動産登記の住所をやってみた

私は年度替わりのタイミングで引越しをしてきましたので、東京で所有しているマンションの登記について、所有者としての住所変更を行う必要が出てきました。

助手のひつじくん

司法書士には頼まなかったんだね?

ヒイラギ

司法書士に頼めば約1〜2万円で処理してくれるけど、何事も経験だよ!

不動産の住所変更登記は今後義務化されることもあり、頻繁に引越しをする訳ではないですが、FIRE後で時間が余っていることもあって、一回は自分で試してみよう、と考え、法務局で手続きしてみました。

その体験談を「失敗した点」も交えて今回はご説明します。

不動産登記の住所変更の手続きについて

手順自体は下記のとおりです。

  1. 新しい居住地の役所で転入手続きを完了する
  2. 新しい居住地の役所で印鑑登録を完了する
  3. 新しい居住地の役所で住民票を取得する → ここまでは通常の転居時にやること
  4. 法務局で登記申請書と必要書類を提出して申請する
ヒイラギ

「ああ、たったの4つのプロセスなのね」という感じなのですが、この4つ目の法務局手続きが曲者でした・・・

1〜3については一般的な引越し時の転居・転入の手続きですので、今回の説明からは割愛し、この4つ目の法務局の申請手続きにフォーカスを当てて解説します。

不動産登記の住所変更に必要なものを揃える

必要なもの①:所有物件の登記簿謄本

まず、お手元に所有している不動産の登記簿謄本を用意してください。

自己所有の不動産物件であれば、売買時にきちんと登記が自分に移っているかどうか確認するために登記簿謄本を持っているかと思いますが、「そんなの無くしちゃったよ」「あれ、捨てちゃった」といった感じでお持ちでない方は登記簿謄本を法務局で取得してください。

念のための注意ですが、登記簿謄本で記載されている地番と、郵便物が届いたり、免許証などの記載住所の地番は違います

助手のひつじくん

登記簿謄本を取得するのは法務局で管理している方の地番が必要なんだよね

ヒイラギ

意外に知られていないんだよね〜

登記簿謄本が手元に無い場合、以下のいずれかの手順で地番の確認が可能です。
手っ取り早いのは、権利証・登記識別情報は保管しているはずなので、それで確認するのがベストです。

【証明書関係】地番を調べる方法はありますか。

地番は、以下の方法により調べることができます。

  1  登記済証(権利証)又は登記識別情報で確認する。

  2  固定資産税の納税通知書で確認する。

  3  管轄の法務局に電話して聞く(地番照会)

       住居表示(住所)が分かる場合は、居表示から地番を検索することができる場合もありますので、管轄する法務局に電話でお問合せください。

  4  地図で調べる。

       周辺の土地の地番が分かる場合は、法務局に備付けている地図を御覧いただくことで、地番を調べることができます(地図を御覧いただくには請求手続及び所定の手数料が必要です。)。

  5  ブルーマップ又は地番図で調べる。

       旭川市の土地の地番をお調べの場合は、旭川地方法務局本局窓口に備付けのブルーマップ又は地番図を御覧いただくことで、土地の位置や住居表示(住所)から地番を調べることができます。

旭川地方法務局のホームページより

ちなみに、法務局のブースに備え付けられている、法務局管理の地番用のマップのことをブルーマップと言いますが、5のブルーマップは、その不動産の物件を所管する法務局に行かないと見れないので、私のように引越ししてから確認しようとすると非常に面倒くさいです・・・

ヒイラギ

なお、不動産登記簿そのものは申請書に添付する必要はありませんが、登記簿謄本が無いと申請書の穴埋めができないので手元に必須です

必要なもの②:住民票の写し もしくは 戸籍の附票の写し

所有物件の不動産登記に記載された住所からの転居が1回であれば、「マイナンバーを記載していない」住民票の写しが添付資料として必要です。

所有物件からの転居が1回までであれば住民票の写しだけで事足りるのですが、転勤や引越しを複数回重ねて所有物件の登記簿謄本の記載住所から2回以上住所が変更になっていると、戸籍の附票というものが必要になります。

ヒイラギ

私はこの戸籍の附票の写しが必要でした・・・

というのも、マンションを新築で購入したのですが、新築での購入時にはその前に住んでいた会社の社宅の住所で登記していました。その後、新築マンションに入居したのですが、4年間の間、登記はいじらず、大阪への転居によって、「会社社宅」→「所有マンション」→「大阪現住所」という形で、都合2回の転居が発生してしまった訳です。

この戸籍の附票の写しですが、現住所が本籍地の市区町村であればコンビニで出力できます

が、厄介なのは、現住所と本籍地が相違している場合、マイナンバーカードは自動的に連携しておらず、そのままではコンビニで出力ができません。

コンビニで出力したければ、まず本籍地である市区町村が戸籍関係書類のコンビニ交付に対応しているかどうか、を確かめる必要があります。

本籍地=現住所では無い場合、コンビニでの戸籍の交付方法については「本籍地の戸籍証明書取得方法」を確認してください。

具体的手順としては、本籍地の自治体がこの交付サービスに対応しているかを確認し、その上で、コンビニのコピー機の手続きを進めて(コピー機での手続き方法は、ステップ2を参照)、5日程度の日数経過後に戸籍の附票をコンビニで出力することができるようになります。

私の場合、結婚を機に本籍地を京都市に設定しました。
京都市はこのコンビニ交付サービスの対象でしたので、わざわざ郵送や直接訪問をすることなく、助かりました。

ちなみに、上記のコンビニ交付の説明ページには5日程度の日数が必要、との記載がありましたが、実際には当日中に完了していたようで、翌日には戸籍の附票の写しを入手することができました。

このコンビニの自動交付サービスを導入していない自治体の場合は、面倒ですが、自治体に郵送で申請書を送って(その際には書留用の封筒に必要金額分の切手を貼り付ける必要がある)、その返信の到着を待つ必要があります

ヒイラギ

戸籍関係もマイナンバーと自動的に一致させるとか、その辺、なんとかなりませんかね・・・

助手のひつじくん

省庁間・国と自治体間をまたぐ行政手続きはいまだにこういったのが結構あるよね〜

必要なもの③:住民票コード

申請書上には住民票コードが必要です。

私は最初、てっきりマイナンバーのことだと思っていたのですが、この住民票コードというのはマイナンバーとは違うものです。

助手のひつじくん

え!
住民票コードってマイナンバーじゃないの?

ヒイラギ

そうなんだ・・・
今回調べて初めて住民票コードという存在を知ったよ・・・

しかも、住民票を取得した際、「マイナンバー記載の有無」は選択できるのですが、この住民票コードについてはそもそも住民票を取得してもどこにも記載されていないという不思議なコードになっています。

コンビニで出力できる証明書の中には住民票コードを記載したものは一切なく、ネットで調べてみたところ、結局、住民票コードを取得するには、管轄する区役所に赴くしかなく、大阪市の北区役所を訪れ、証明書を発行しました。

なお、住民票コードの発行は手数料無料です。

ヒイラギ

これも、マイナンバーでも良いようにするとか、住民票の写しで掲載有無を選択できるようにするとか、何とかならないんですかね・・・

助手のひつじくん

弊害パート2だね

不動産登記の住所変更登記申請書を完成させる

ステップ①:申請書を準備する

法務局のホームページに「不動産登記の申請書様式について」のページがあります。

申請書については、このページ上に「一太郎」「ワード」「PDF」の3種類で入力できる原紙がありますので、ご自分のPCに入っているソフトに対応したものを選んでください。なお、印刷の上での手書きでも問題ありません

ステップ②:申請にあたっての注意点を理解しておく

申請にあたってはいくつか注意点があります。

住民票の写し(1回以内の転居)、戸籍の附票の写し(2回以上の転居)については原本を添付する必要があります。
コピーはNGですので、お間違い無く。

登記申請書に添付する書面(添付情報)は、原本の添付が原則ですので、「住民票の写し」等についても,その証明書の原本を添付する必要があります(コピーは不可)。

法務局ホームページ「不動産登記の申請書様式について」より抜粋

マイナンバーについては不動産登記に利用することができないため、住民票の写しについてはマイナンバーを記載していないものを送付する必要があります。

平成28年1月から個人番号(マイナンバー)の利用が開始されていますが、不動産登記の手続においては個人番号を利用することはできません(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27条)第19条「特定個人情報の提供の制限」参照)。

そのため、不動産登記の申請には、個人番号の記載がない住民票の写し等を添付してください(個人番号の記載がある住民票の写し等は添付しないでください。)。

法務局ホームページ「不動産登記の申請書様式について」より抜粋

申請書はA4で印刷することが必要です。

なお、申請書が複数枚になる場合、契印が必要になりますが、PC上での入力、手書きのいずれであっても、住所変更の登記申請で複数枚必要にわたるほどページ数を使うことはないので、気にしなくて大丈夫です。

1.申請書は、A4の用紙を使用し、他の添付情報と共に左とじにて提出してください。紙質は、長期間保存できる丈夫なもの(上質紙等)にしてください。
2.文字は、直接パソコン(ワープロ)を使用し入力するか、黒色インク、黒色ボールペン、カーボン紙等(摩擦等により消える又は見えなくなるものは不可)で、はっきりと書いてください。鉛筆は使用できません。
3.郵送による申請も可能です。申請書を郵送する場合は、申請書を入れた封筒の表面に「不動産登記申請書在中」と記載の上、書留郵便により送付してください。

法務局ホームページ「不動産登記の申請書様式について」より抜粋

書類の書き方:必要書類は揃っているので、見本通りに書くだけ

不動産登記の住所変更については、法務局のホームページに申請書の書き方の見本があるので、その通りに書くだけです。
(今回のリンク先は、マンション・アパートといった区分所有の方の見本を貼っています)

上記で用意した「登記簿謄本」と「住民票コード」さえあれば、後はそれぞれの項目(見本では赤字で記載されている部分)を埋めて行くだけなので、この部分は難しくありません。

90%程度は「登記簿謄本」からの転記となります。

ヒイラギ

なお、電話番号ですが、法務局から確認の電話がかかってくることがあるので、普段つながりやすい携帯の電話の方が好ましいです

助手のひつじくん

特に、郵送での申請の場合は必須だよ!

準備が整ったので最寄りの法務局へ提出!で、失敗・・・

失敗:申請はその不動産を管轄する法務局のみで可能ということを知らず

全ての書類が揃ったので、意気揚々と大阪法務局北出張所に赴いたのですが、なんとそこで衝撃の事実が・・・

法務局は登記簿謄本の取得はどこでもできますが、申請についてはその不動産を管轄している法務局でしか受付ができない、とのこと。

ヒイラギ

これまで法務局では、他エリアの登記簿謄本を取得していたので、申請もどのエリアでもできるものだ、とすっかり思い込んでしまっていました・・・

助手のひつじくん

意外にどこにも書いていないんだよね

ヒイラギ

司法書士の業界では当然過ぎるんだろうけどね・・・

皆さんは無駄足にならないよう、ご自分の所有不動産を管轄する法務局かどうか、はチェックしてから法務局に向かいましょう。

郵送で東京法務局に申請書一式を郵送

結局、東京の所有不動産物件を管轄する東京法務局宛に郵送で申請することになりました。

その際、気をつけておきたいポイントは以下のとおりです。

注意ポイント①:「印紙」を貼って提出する

申請書には印紙が必要です。

印紙は登録免許税として必要であり、登録免許税は「土地又は建物1個につき1,000円」となるので、マンションの場合は土地+建物というカウントで2,000円分の印紙の貼り付けが必要となります。

法務局での持ち込み申請の場合、窓口のすぐそばに印紙の販売所があるのですが、直接郵送の場合は郵便局で必要金額分を購入しましょう。

注意ポイント②:「自宅宛返信用封筒」に「簡易書留を含めた切手」を貼って同封する

登記が完了した結果通知を郵送で自宅宛に送ってもらう必要があります。

その際、「簡易書留」で返送してもらうことになりますので、封筒そのものの切手分(140円)に加えて、「簡易書留」分の料金の切手(+320円)も封筒に貼り付けて同封しましょう。

持ち込んでも法務局はその場でチェックしてくれない

ちなみに、法務局の持ち込みのケースであっても、その場で申請内容のチェックはしてくれません

窓口の人は淡々と書類を受け取っては番号札を発行し、のルーティンワークの人なので、「この書面で良いかどうかチェックしてくれませんか?」というのはできません。

助手のひつじくん

二度手間にならないように、チェックして欲しいけどね〜

ヒイラギ

次から次へと申請が来るので、それをやっていると窓口が止まってしまうんだろうね

申請書の中で確認事項があった場合は、後日、法務局の担当者の方から申請書に記載した電話番号に連絡が入ることになります。

申請書は法務局にて預かり、その場で番号札と登記完了日時が記載された書面を受領し、後日その日時に行くと登記完了していることが確認できる、という形になります。

印紙を貼り付けた後に、登記が完了できない理由が出てきた場合はどうなるのか?

なにぶん、素人が見様見真似でやることなので、印紙を貼った後で登記が完了できないミス等が見つかった場合など、貼った印紙分はどうなるのか、といったことを大阪法務局に質問してみたところ、その場合は若干手続きがあるものの、取り下げの書面を提出すれば印紙税分が払い戻されるとのことでした。

ただ、払い戻しにあたっては振込先の通帳の情報(場合によっては通帳コピー)や、申請時に押印したものと同一の印鑑、本人確認書類の持参など、結構面倒な手続き作業が発生する上に、返金されるのに2〜3ヶ月かかるそうです

(大阪法務局北出張所で確認した内容です)

結論:必要書類だけ揃えれば不動産登記の住所変更申請は簡単!

今回、自分で一連の不動産登記の住所変更申請を行ってみましたが、必要な書類さえ揃えることができれば、申請書を作り上げるのは非常に簡単でした。

ただ、必要書類がそれぞれ全く連動していないので(戸籍の附票の写しは本籍地だったり、住民票の写しに住民票コードが記載されないから、わざわざ区役所に行かないといけなかったり)、その点が非常に面倒臭かったです。

不動産登記の住所変更申請について、最低限のコストとして、3,000〜4,000円の費用は発生することになります。

  1. 登録免許税 (2,000円)
  2. 住民票の写し(コンビニでは200円、窓口では300円) ※転居1回のみの場合 ※大阪市の場合
  3. 戸籍の附票の写し(350円)※転居2回以上の場合 ※京都市の場合
  4. 法務局への郵送代(140円+簡易書留320円=460円) ※窓口持ち込みの場合は不要
  5. 返信用の郵送代(140円+簡易書留320円=460円) ※郵送、窓口持ち込みでかつ返信を郵便で希望する場合
ヒイラギ

義務化をする以上は、少なくとも登録免許税は少し引き下げるべきなのでは?と思うけどね

助手のひつじくん

確かにねえ〜
まあ、家を持つってことは、それなりに経済力があるから、税負担もできるデショ、って考え方なんだろうけどね

なお、司法書士に依頼した場合は、概ね相場としては1〜2万円程度です。
結構書類収集に手間がかかるので、私もFIRE前のサラリーマン時代であれば、司法書士に依頼していたかもしれません。

法務局との立地関係にもよりますが、集中してやっちゃえば、全部で半日もあれば終わりますので、時給単価5,000円と考えれば、あとはあなたご自身の時給単価と比較して、やるかやらないかを判断してみれば良いかと思います。

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