FIREについてのおさらい
FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の略語で経済的自立と早期リタイアすることを意味しています。
1980年代~90年代に生まれた「ミレニアル世代」を中心にアメリカで爆発的に流行した考え方であり、20-30代のうちに多くの資産を築いて、なるべく早い段階で会社から「脱出」し、残りの人生を謳歌するという生き方の戦略です。
助手のひつじくん経済的自由を得て自由な生き方をしていこうというムーブメントだね!
日本では、これまではセミリタイア 、アーリーリタイアといった言葉で語られていましたが、意味自体に違いは特にありません。



強いて言えば、FIREにはシンプルな生活を追求するミニマルライフの考え方が根底にあります
日本でもアメリカのミレニアム世代に相当するZ世代を中心にFIREを目指して生活する人たちが多くなって来ました。



日本でもFIRE生活に突入する人は増えてきたよね!
FIREに必須の考え方:生涯コストを考える
FIREは、自分が今後生きていくために必要な金額を把握することから始まります。



でも、自分の寿命なんて分からないし、生涯必要な金額って分からなくない?



そうだよね。
残りの人生を過ごしていくのにどれだけの資産を保有しておけば良いのか、というのはイメージがつきにくいものだよね



だよね〜



そこで「4%ルール」というものが世に知られて来たんだよ。



4%ルール?



この4%ルールを守っていれば、築き上げた資産を毀損することなく、資産運用の中で得られた収益の中から毎月の生活コストを賄い、一生を過ごしていく、というものなんだ
- 「資産を年間の生活コストの25年相当分築きあげ、その資産を4%の年利で運用する」という考え
- 毎年4%で運用することにより、資産を減らすことなく生活できるという計算となる



1億円あったら生活費400万円で暮らせば一生暮らせるということ?



そういうことだね
4%ルール:トリニティ・スタディと後続研究



なんで4%なの?
理由があるの?



これはアメリカの大学の研究者の研究発表なんだよ
■トリニティ・スタディの原文
Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable
日本語和訳:「リタイア後の貯蓄: 持続可能な貯蓄引出し率の選択」
彼らの調査結果では、アメリカ居住者が資産をアメリカ株式(SBI&P500)とアメリカ債券(長期高格付け社債)を、株式75、債券25の比率で資産運用した上で、初期資産の4%に相当する金額を毎年取り崩した場合、資産がプラスになる確率は、25年後は確率100%、30年後は確率98%という計算結果になりました。



なるほど。しっかりと計算された結果なんだね



もう少し詳しく知りたい人は下記のミニコラムを読んでみて
- トリニティ・スタディでは、「100%株式」、「75%株式+25%債券」、「50%株式+50%債券」、「25%株式+75%債券」、「100%債券」の5つのポートフォリオ群を検証
- 30年間の定率売却にて最も資産残存額が高かったのは「75%株式+25%債券」だった
(ただし、「100%株式」と大きな相違はなし) - 「100%債券」が最も悪く、次いで「50%株式+50%債券」が悪いという結果に
- このことから、債券の比率は最大でも25%程度までに留めるべき



債券に寄せると結果が悪くなっちゃうんだね。
確かに、債券はFRBの金利政策次第で0%になったりするもんねえ



株式も短期的には不安定だけど、長期的に見れば、過去の歴史上は必ず上昇してきたからね。この結果は納得できるところだよ
この結果を受けて「資産の25年分を持つことができれば、30年以上暮らしていくことができる」ということが導かれました。



トリニティ・スタディは良く分かったよ
だけど、これって1995年までの計算でしょ?



そうだね。1926年~1995年の期間の計算になっているんだ



その後もドットコムバブル、リーマンショックとか色々あったじゃない?そのデータも含めると結果は変わるんじゃないの?



もっともな疑問だよね。このトリニティ・スタディは有名な研究結果なので、その研究結果が今も通用するものなのか、といった視点から上書きの研究成果も公表されているんだよ



結果はどうだったの?



以下の通り、2019年までデータを引っ張ってもトリニティ・スタディは有効なことが確認されているよ
- トリニティ・スタディ(4%ルール)が今も当てはまるものなのか、アメリカの研究者が直近まで株価推移(1871年~2019年)を利用して、2020年に再度検証
- この検証においても、4%ルールは引き続き有効であることが確認された
- また、取り崩す率を3.5%に引き下げた場合、30年後以降も資産が残っているとの研究結果が新たに付け加えらた



すごいね
150年間のデータを検証したんだ・・・
日本での4%ルールの考え方



でも、このトリニティ・スタディって米国株のデータ検証の結果だよね?日本の場合も「4%」で考えるの?



そもそも、4%という数字は、米S&P株の年間の成長率7%から、アメリカのインフレ率3%を差し引いて計算されているんだよね



インフレ率3%って、今の日本ではあり得ないよね?



そうだね。
日本の場合は、過去10年、インフレ率は0%を基準に、±1%以内の範疇で行ったり来たりしているんだよ。だから、インフレ率はアメリカほど差し引く必要が無いので、5〜6%ルールで見ても構わない、とする論評も目にするね
また、日本でこのFIREを考える場合、以下の2つの点に注意が必要です。
- 米国と日本の為替変動を考慮していない
- 二重課税が発生する(米国での10%課税に加え、日本にて20.315%の課税が加わる)
前者については、最近の証券会社の多くは米ドルでそのまま米国株式用の口座内に保有しておくことができるので、自分の想定以上に円高になった場合は円への切り替えは見合わせ、円安時に行うことである程度リスクは回避できます。



とはいえ、為替は本当にどう動くのか読めないので、思った通りのタイミングで円へ転換できるかは運によるところが大きいけどね
また、二重課税については、確定申告が必要ですが、外国税額控除で一定額は取り戻すことができます。



外国税額控除については下記の記事で詳細を解説しているよ!





ちなみに、日本株で同様の検証を行った研究も見つけたんだけど、その結果はなんと「毎年の取り崩しを0.4%に抑えないと資産が枯渇する」という衝撃的な結果だったよ・・・



ええ、、、
0.4%なんて絶対無理じゃん・・・



感覚的には分かっていたところだけど、日本株で4%ルールを目指すのは無理ゲーだよ
今後の米国株の見立てについて



じゃあ、米国株に今後も賭けるとすると、見立てはどうなの?



近年の米国株は、非常に力強い成長を見せつけており、「S&P500」で見ると、2012年から2021年までの10年間で、株価指数は2倍に成長しているんだよね



ここ10年間が好調過ぎたんじゃないの?



コロナショック時の金融緩和から一転引き締めに転じているので、足下はギクシャクしているよね。
ただ、世界的著名投資家のウォーレン・バフェットは「2117年 (100年後) にNYダウが100万ドルを突破」すると言っているよ。
今後も米国の株式相場は右肩上がりの成長と確信してんだね



ひゃ、ひゃくまんどる・・・
今の30倍だね・・・
ウォーレン・バフェットが言うなら心強いね!
人生100年時代への対応



あと、トリニティ・スタディって30年間だよね?
でも人生100年時代って言われているじゃない?



そうだよね。
私たちの住む世界は今や100年寿命を考えないといけない時代を迎えているからねえ。そこで60年間のケーススタディも研究されていたりするんだ
取り崩しが60年間続くケースについて、 Early Retirement Nowというサイトが1871年〜2016年のデータを使って、60年間に及んだ場合のシミュレーションを掲載しています。


この結果を見ていただければわかりますが、株式100%、株式75%(+債権25%)のいずれもパターンでも4%ルールを適用した場合は、80%以上の確率で保有資産は残存することになります。
さらに注目すべきなのは、3.5%の取り崩しであれば、60年間でも97〜98%の高い確率で保有資産は残存される、ということです。



4%取り崩しの確率80%はちょっと怖いけど、3.5%取り崩しの確率97%だと安心できるね!



人生100年時代を考え、30代から40代のうちにFIREを達成したいということであれば、3.5%も意識しておくべきだよね。
実際、私は40歳でFIREしているから、3.5%ルールを意識しているよ
4%ルールを1つの指標としてFIREを目指そう



4%ルールは分かりやすい指標だから、話題になるのも分かるね



FIREと4%ルールはセットだからね。
今後もより一層浸透していくと思うよ



自分の置かれている状況に応じて、3.5%ルールを設定したりとかアレンジの方向性も見えてくるね



「4%ルール」「3.5%ルール」を1つの指標として、FIRE達成の基盤作りを進めていこう!










